俺＜姉

我が最強の敵で我が最大の壁とも思われた我が姉上だが
意外にもその壁を乗り越えるのは造作も無かった。


この冬休みは
祖母の傘寿を祝うべく
孫6人が久々の終結をするいとこ組。

場所は祖母がご隠居している湯河原から近い熱海。

姉から転送されてきたメールを見ると、、、

祖母へのプレゼントが一人￥2000
入湯税込み朝食付きが一人￥19800
それに祖母の分を6分割したのを足して一人￥23100
高速代とガソリン代が一人￥3000

一人当たりの合計￥28100


いや、高いっす…。

しかも、見落としていたのはここ。

入湯税込み朝食付き

夕飯…付いてない。。
ちゃっかり、その後のメールに書いてありました。
「以上の金額には1日のお夕飯代が入っていないのですが、、、」


なんてこったい・・・ｶﾞ━━━(ﾟﾛﾟ )━━ﾝ!!


でも、ご安心を。

「おばあちゃんの息子さんたち、つまり私たちの父たちからカンパが出るので、それで十分賄えると思います。」


あぁねっ！

よかったよかった。


でも、￥28100は正直しんどい。
俺の月のお小遣いは３万。

ん？

全額投入ですか？？


orz


でも、よく考えてみよう！

俺を抜かす5人は既に社会人。
つーことは！
最低でも手取りで15万くらい平均してもらってるはず。
（いや、絶対にもっともらってるけど。）

月に費やせるお金は俺の5倍。
なのに、俺はみんなと同じ出資。

おかしいでしょう？

有り得ないでしょう？？


そりゃあ、物言いになるさ。
両国国技館に座布団が舞い飛ぶわけだ。


さっそく姉に俺の出資額の軽減のメールを送る。

「えーっと…俺だけ社会人ではないのに、みんなと同じ額を支払わなきゃならないというのは、正直厳しいです。どうにか、みんなに俺の分の負担もお願いできないか頼んでみては頂けないでしょうか・・・？」


めちゃめちゃ下手になってしまった。。
でも…だって……ねぇ？
お金を多く支払ってもわなきゃ困る俺としては
そりゃ、腰も低くなりますよ。

しかも、その前に姉から着ていたメールで、、、

「まじあり得ないよね！！
あたしだって11月に香港行くのに15万くらい使うし、
FENDIのバッグ買っちゃったりしたからまじ今金ないんだけど！」

と、いかにも俺の打診など聞いちゃくれない感じだったからさ。
首謀者立案者に届く前に
俺の発言は姉によって削除されるのではなかろうか…とさえ、俺は本気で思った。

なのに！

なのにだ！！

姉からの返信は
「うんいいよ～☆
じゃあみんなに打診してみる。
確かにあんた一人学生でかわいそうだもんね。」

なぬっ？！゜　゜(口　)三

いかがなさいました？姉上殿！！
こんな優しい姉上殿は久方ぶりで御座います！！

と言いたくなるくらいアッサリ俺の案は受け入れられた。


いやぁ、世の中、ダメ元でも言ってみるもんだね。


にしても、メールを再度読み直してしまうほど驚いたさ。




あ、ひとつだけ断っておくけど、、、
ウチの姉も一応、一応ね、鬼ではないっす。